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シャドー・メーカーズ ロバート マーシャル(Robert Marshall;)著 二宮 磬 訳 文藝春秋

シャドー・メーカーズ
シャドー・メーカーズ (文春文庫)
ポール・ニューマンが主演した同名映画のノベライゼーション。ポール・ニューマンマンハッタン計画を推進したレスリー・グローヴス准将役で、原爆開発を巡るグローヴス准将とロバート・オッペンハイマーの奇妙な対立と共立を描いたもの。映画は見ていませんが、マンハッタン計画という背景に関する知識がないと、グローブスとオッペンハイマーの内面を深く掘り下げる事も出来ないので、あまり面白くないのでは?それよりも結局、プルトニウムの臨界実験中に科学者が被爆して死亡する(実際にそのような事件が合った事は事実)エビソードの方がショッキングで、見た人の記憶に残ったかもしれません。
ちなみに、数多くあるマンハッタン計画関連の本の中でもあまり触れられていない、被験者には知らせずに致死量の放射性物質を人体に注入してその影響を長年にわたって調査した人体実験について少しだけ触れるシーンが出て来ています。(オッペンハイマーがそれに関与していた事を臭わせている)でも、それだって、その事件の事を知らないと見当がつかない気がする。