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ファイアハウス デイヴィッド・ハルバースタム 鈴木主税 集英社

ファイアハウス
ファイアハウス
9.11テロの日、ワールドトレードセンタービルの現場で救助活動を行った第40ポンプ車隊と第35はしご車隊は、出動した13名の消防士のうち、12名が殉職した。
ハルバースタムはその消防士の家族や、他の消防士達に取材する中で、消防士が「消防士」という職業を選んだ理由、彼らが消防士という職業に対して持っている「誇り」や、常に危険と隣り合わせにあるために生まれる「厳しさ」と言った者を読者に伝えてくる。
9.11の日、消防士達は出動し、そして帰ってこなかった。息子や、兄弟や、夫である彼らからの連絡を待つ家族は、やがて彼らの死体がビルの残骸の中から掘り起こされるのを待つ家族に変わっていく。
殉職した消防士の父親がシャワーを浴びている時、息子がそのシャワールームの壁のタイルを貼ってくれた事を思い出し、タイルに指で触れながら息子の死を実感するエピソードが圧巻だった。