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「古事記」の真実 (文春新書 649) 長部 日出雄著 文藝春秋社

「古事記」の真実 (文春新書)

「古事記」の真実 (文春新書)


長部氏の本は何冊か読んだことがある。最初に呼んだのは「鬼が来たー棟方志功伝」だった。確か西田敏行主演でテレビドラマ化されて、そのテレビドラマを見て、本を買った記憶がある。
本書は「古事記」の成立や、そこに潜む日本の二元性について長部氏の自説を語っていく。古事記が単なる歴史書や説話のような「読み物」ではなく、本来は詠い踊りながら語る演劇の脚本のような性質のものではなかったかという指摘はとても興味深い。