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オッペンハイマー 「原爆の父」と呼ばれた男の栄光と悲劇 上・下:カイ・バード、マーティン・シャーウィン 著 河邉俊彦 訳 PHP研究所

オッペンハイマー 「原爆の父」と呼ばれた男の栄光と悲劇 上
オッペンハイマー 上 「原爆の父」と呼ばれた男の栄光と悲劇
オッペンハイマー 「原爆の父」と呼ばれた男の栄光と悲劇 下
オッペンハイマー 下 「原爆の父」と呼ばれた男の栄光と悲劇
世界初の核兵器の開発という一大プロジェクトは、ただ優れた科学者によって成されたのではなく、精神的な不安定さや、時には人を不機嫌にしたり、人を魅了したりという、人間くさいパーソナリティをもった一人の天才によって成された。そして、その栄光と罪を背負った一人の科学者はその不安定さ故に時代の渦に巻き込まれ、赤狩りの奈落へと落ちて行ってしまう。
ただただその科学的な欲求を満たす為に、大義なく水爆を開発したエドワード・テラーの不遜さと比較する時、ナチス・ドイツとの対決という生死をかけた使命のために原爆を開発したオッペンハイマーには、同情できるところがある。