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原爆はしようがないことだったのか?

久間防衛相(衆院長崎2区)が「原爆を落とされて長崎は本当に無数の人が悲惨な目にあったが、あれで戦争が終わったんだという頭の整理で今、しょうがないなと思っている」という発言をしたそうだ。
久間防衛相、講演で「原爆投下、しょうがない」
アメリカは原爆開発に途方も無い予算を注ぎ込んだから、何らかの成果を出さなければマンハッタン計画を推し進めた関係者は面目が丸潰れになるし、戦後のソ連に対する軍事的優位性を示す必要性から、たとえ日本にあと半年も戦争を継続する力が残っていなかったとしても、原爆を落としていただろう、戦争を終わらせる為に落としたのではなく、戦争が終わる前に落としたかっただけだ、という意味で「しょうがない」のならわかるが、どうやらそういう意味では無いらしい。
「国際情勢とか戦後の占領状態からいくと、そういうこと(原爆投下)も選択肢としてはありうる」
一体どこに、そんな選択肢が?
しかも、長崎はヒロシマに次いで二発目だ。ソ連が日ソ中立条約を破棄して日本に宣戦布告した翌日に投下された。勝利を目前に控えた国の「賢明」な判断があれば、投下を見送るべきところで、敢えて投下されたのだ。そこには、大統領の明確な投下命令も無く、ヒロシマに投下されたウラン型のリトルボーイよりも破壊力と実用性は数段上とされたプルトニウム型原爆を実戦に用いたかったという軍の意志以外の理由はない。(トルーマンは二発目の原爆投下を聞いて、それ以降、自分の命令が無い限り3発目は落としてはならないと明言した)
まして、原爆投下の選択に何故「戦後」の占領状態が関係してくるのか?
こんな支離滅裂で無知な人物が何故防衛相なんてやっているんだ?