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イラクサ :アリス・マンロー 著 小竹 由美子 訳 新潮社 クレストブックス

イラクサ :アリス・マンロー 著
イラクサ (新潮クレスト・ブックス)
いつも行くコーヒー豆屋さんの店員さんに勧められた読んだ本。カナダの女流短編作家の作品集。冒頭の一作目「恋占い」の話の展開の意外さがいきなり読者を引き込んで、次の作品へと導いていく、短編集としての話の配置の妙も素晴らしい。でも、一作目の邦題「恋占い」はちょっと作品自体の雰囲気を伝えるには軽すぎる気もする。もちろん、少々陰鬱な調子で話が進み、それが最後にがらっと変わるのだが。
女流作家の作品はあまり読んでいない方だと思うけれど、もう少し他の作品も読んでみたいと思わせる力を持っていると感じた。残念ながらほとんど邦訳されていないみたいだが。