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オレンジだけが果物じゃない (文学の冒険シリーズ):ジャネット ウィンターソン 著 岸本佐知子 訳 国書刊行会

オレンジだけが果物じゃない
オレンジだけが果物じゃない (文学の冒険シリーズ)
岸本佐知子氏が翻訳したイギリスの女流作家 ジャネット・ウィンターソンの半自伝的小説。信仰に全てを捧げる女性(母)のところに孤児院からもらわれてきた主人公は、最初自分もまた信仰の世界に生きるように方向付けられるが、ある時、自分自身が同性愛者である事を知り、そのことは母親との決別につながっていく・・・。
こう書くと非常に重い話だし、実際そういう話なのだが、読んでみるとそれ程重さを感じずに読み進める事ができる。これはやはり作者の持ち味であり、翻訳の巧さではないかという気がする。