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どれだけ読めば、気がすむの? 豊崎由美 著 アスペクト

どれだけ読めば、気がすむの?
どれだけ読めば、気がすむの?

豊崎由美さんを初めて見たのはケーブルテレビのミステリーチャンネルの一番組だった。実は未だにその番組をちゃんと見た事は無いのだが、3人くらいのライター(?)が個々の推薦本を紹介して、その時のナンバー1を決めるというもので、豊崎さんは「豊崎社長」と呼ばれつつ、ちょっとユニークな書評を語っていた。
豊崎社長と再会したのはTBSラジオの「ストリーム」という番組のPodcastを聴き始めたとき。豊崎社長は隔週で「ブックレビュー」というコーナーを担当していた。
個人的に「書評」とは以下に読者をその気にさせて、その本を読ませるか?にあると思う。ほめる、けなすはどちらでも良い。けなした結果、逆に読み手の印象に残って、そんなにつまらないのなら、一度読んでみようかという気にさせる場合だってある。その気にさせる秘訣とは、本に対する「愛」だろう。(作家や作品に対する愛ではなく、本に対する愛)どれだけ自分の愛を語る事ができるか。「どれだけ読めば、気がすむの?」は「どれだけ語れば、気がすむの?」でもあると思う。