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底抜け合衆国―アメリカが最もバカだった4年間 町山智浩 洋泉社

底抜け合衆国―アメリカが最もバカだった4年間
底抜け合衆国―アメリカが最もバカだった4年間
昔、大学生だった頃、僕の仲間内では、アメリカは憧れる国というよりは、自由かもしれないが、「短絡」で「強引」すぎる国で、どちらかというと、ああなるよりは日本人の方がいいという感じだった。その後、米国の不況でその強気の姿勢は影を潜め、昭和天皇の死なんかがあって、その後の皇室報道とか見ていると日本もなんだかなぁ、、という感じになってきてはいたが。
マイケル・ムーア監督の「華氏9.11」を見た時に、話半分で受け取ったとしても、9.11以降のアメリカは何か大きく道を踏み外してしまって、軌道修正が出来なくなってきている、正に学生時代に感じた短絡で強引なアメリカの面が強くなってきたと実感した。
町山氏は9.11の前の大統領選挙まではアメリカに憧れ、娘をアメリカ人にしたくて、米国企業で職を得た奥さんと一緒に渡米したが、9.11以降のブッシュの欺瞞、思想統制、自由の弾圧を前にしてアメリカはどうなってしまったんだ?と呆然とする。これはその大統領選挙前のお気楽な状況から、9.11を経てアメリカがイラク戦争に向けて暴走し、その暴走のとばっちりを受けて自由な表現を規制されるメディア、そして、マイケル・ムーアの「華氏9.11」による逆襲までのアメリカ・レポート。