他から味をもらう
土井善晴という料理人がいらっしゃる。
父は土井勝。
テレビで家庭料理のレシピを多数紹介している。
この土井善晴氏が「おから」、つまり卯の花の調理法を紹介する動画がなぜか心に残った。
おからは豆腐を作る過程でできる。大豆から豆乳を搾り取った後の残りもの、絞りかす だ。これを残さず食べようという思いから生まれたのが おから。
かといって豆腐が毎日のように食べられるのに対して、おからは毎日食べるものではない。
しかも、搾りたてのおからは熱せられていて温かく、水分も残っているため、そのままでは腐りやすい。
そのためにおからは産業廃棄物として捨てられるものが多いそうだ。
その捨てられるものを活かしたのがおから。
おから自体には味がない。だからおからを炊くときには、味の出るものと一緒に炊いて、他から味を貰うようにしなければいけない。
ちょうどレシピの中では 干し海老と一緒に炊いてその干し海老のダシの味をもらっていた。
捨てられる絞りかすのおからが、他から味をもらって、美味しいオカズになる。
なかなか味のある話だった。