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我らの薔薇は名もなき薔薇

先日、とある集まりで、30歳になったばかりという青年と話す機会があった。

平成元年生まれという彼。たまたま同じテーブルに座った人の中に、ほぼ自分と同じような昭和40年代生まれの人がいて、昔話と、今とのギャップについて話した。

舗装されていない道路、不要になったゴミを焼く家庭用の焼却炉やトンド焼き、電子レンジのないキッチン、耐熱じゃないガラス器、、、。

僕らの話に合わせてくれていたところもあると思うけれど、色々と話に花が咲いた。

「コンビニや電子レンジがないと、一人暮らしの料理は大変じゃなかったですか?」

という質問が平成生まれの彼から出た。

僕は大学の4年間自炊しながら一人暮らしをしたが、親と暮らしていた頃から、親が留守にしていても適当に料理して食べる事はできた。

「ナントカのホニャララ風味とか、そんな名前のついた料理じゃない、名前もレシピもない料理は世の中には沢山あって、電子レンジがなくて簡単に作れる料理も沢山あるよ」

みたいなことを答えた。

 

料理に限らず、名前のつかないものは沢山ある。便利になって容易に手に入る名前のついたものを使うようになると、それじゃないとダメなんだみたいな錯覚に陥ることもある。

そんな事を感じた一夜だった。

平成元年生まれの彼、ありがとう。