冷飯を食らう
ご飯は(お米を炊いたものは)、ちょっと冷えたくらいが美味いのだ。
確かに炊き立ての白飯は美味しい。しかし、ちょっと前まではそれを保温するジャーなんてなくて、炊き立ての飯は刻一刻と冷え、冷や飯になっていったのだ。
おひつの内側や蓋にしっとりと水滴が付き、その水分を受けて白飯は冷ややかだが、艶やかに光っている。
さぁお茶碗によそおう。
電子レンジでチン?いや、そんな無粋なことをしてはいけない。電子レンジは便利だが、時に水分の水臭さや、水分を吸った米粒が内から熱せられてねっとりし過ぎる時もある。
冷飯は冷飯として食べるのが一番なのだ。
冷えて少し硬くなった白飯がしゃもじにぺったりと付き、茶碗に落ちないので、こそげ落とすように茶碗の縁にしゃもじをこすりつけながら盛る。
冷えた白飯を口に運ぶ時、熱々の白飯では熱すぎて十分に味わえなかった粒の固さ、食感が際立つ。
いや、本当に美味しいご飯は、冷えてこそ美味しいのよ。