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ファインマンさん,力学を語る:D.L.グッドスティーン, J.R.グッドスティーン 著 砂川 重信 訳 岩波書店

ファインマンさん,力学を語る
ファインマンさん,力学を語る
リチャード・ファインマンカリフォルニア工科大学(カルテク)の新入生向けに実施した物理学の講義は、『ファインマン物理学』という形で出版されているそうだ。日本でも岩波書店が邦訳を出版している。ただ、その本が編纂された当時、実施されたのにそのテープや記録を紛失してしまったとされていた「幻の講義」というものがあって、1990年代に入ってそのノートやテープが発見され、出版されたのが本書ということらしい。テーマは古典物理学の巨人アイザック・ニュートンが運動の法則、天体の楕円運動、万有引力の法則について著述した「プリンキピア」を、数式を一切用いず、中学で教わる初等平面幾何学の知識だけで天体の楕円運動の法則(ケプラーの第二法則としても有名な、「惑星から太陽に向けて引いた線は、同一時間において同一面積を掃く」)を証明するというもの。
はっきり言って、学生時代、数学と物理学は「???」の連続だった。しかし、幾何学は結構好きだったので、なんとか読むことができた。