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雪と除雪車

今週のお題「雪」

札幌の雪は乾燥しているかのようにパラパラと降る。表面が毛でなく、つるりとした生地の服ならば降った雪はその上を滑り落ちていく。

雪が服に当たる音がパラパラと聞こえてくる。

踏むとキュッキュッと鳴く。

夜中になると周りが静まり返って、微かな雪の降り積もる音だけが聞こえてくる。雪がしんしんと降る、というのはこのことを言うのかと知った。

深夜、ゴゴーッと急に大きなエンジン音と何か少し引きずるような音が聞こえてくる。だんだん近づいてくる。

除雪車だ。

表通りの雪を掻き避けて走り去っていく。だんだん音が小さくなり、遠ざかっていくのがわかる。

でも、音ばかりで、除雪車が走っているのを見た記憶はあまりないなぁ。寒い夜、そんな真夜中に外を出歩かなかったもんなあ。

だから、この音が除雪車だというのは僕の単なる想像かもしれない。真夜中に見た夢かもしれない。

雪の深い夜、暗い中、等間隔に並んだ街灯の光を一つ一つくぐりながら、除雪車がゴゴーッと走り去っていくのだ。