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大企業向き?

梅田望夫さんが「好きを貫く」ことと大企業への就職という事を書いておられる。
この大企業に向いている志向は、(とうとう経団連の会長を出すまでになってしまった会社に勤めている)自分にはいくつか合致している部分があると思った。ただ、一方で僕は20年弱以前、就職活動をしていた頃に、自分は会社員には向かないだろうなぁ・・・と思いながら活動していた。
40歳を超えて、自分自身が大企業において、色々と紆余曲折はあったが、今までやって来れたのは何かと、最近よく考える様になったのだけれど・・・。
僕は仕事というものにあまり愛着を持たない様にしている。言い換えれば仕事第一ではない。ただ、自分のやっている仕事は、ある一定のレベルは保っていると思う。決して仕事をなめたり、さぼったりはしない。
僕にとって仕事とは会社との約束だ。自分に課せられた仕事は、その責任を果たしたいと思う。それは仕事に愛着があるからではない。相手が会社であろうと、人であろうと、一度結んだ約束を守るという事は、それが僕にとって、とても大切な事であり、僕の守りたい一線だからだ。
例えば僕はSEだから、いろんなシステムの開発に関わって来た。42歳にもなったから、自分が中心になって仕様を決め、人を使い、プロジェクトを動かして来たりもしたつもりだ。でも、僕は自分が作ったものや、関わって来たものにあまり愛着は持たない様にしている。
よく、自分の関わった商品への愛着を語り、それを仕事のモチベーションとしている人がいるようだけれど、僕は大企業においてはなかなか人とモノは関係を持ち続ける事は難しいのではないかと感じる。言い換えれば、いくら自分が一から作ったものであっても、上司からの一言で、その担当を離れ、別のプロジェクトの立ち上げをしなければならないのが企業だと思う。
もし、自分の作ったものにこだわりと、愛着を強く感じるようであると、それが自分の手を離れてしまったり、他人の手によって変えられてしまう事はちょっと我慢できないんじゃないの?と思う。
僕がこだわるのは、仕事のやり方と、自分が課せられた責任を自分が果たす事ができているか?僕はそうして、自分自身を採点し続けている。そして、時々、自分が怠けているなと感じて反省したりする。
うまく言い表せないのだけれど、僕自身が大企業でこれまでやれて来たのは、(かっこ良く言わせてもらえば)自分の成果(作ったもの)ではなく、生き方の一つである【約束を守る事】にこだわって来たからだと思う。