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図説 不潔の歴史 (単行本) キャスリン アシェンバーグ 著 鎌田彷月 訳 原書房


如何に西洋人が身体を洗わなかったか?という歴史。ベルサイユ宮殿は非常に臭ったというのは有名な話ですが、それは昔の話、、、と思いがちだが、キリスト教の慣習によるものもあるが、ペストの流行等で水が病を媒介するという事を恐れ、水煮は極力触れないようにする→基本的に身体をいっさい洗わないという状態が20世紀近くまで続いていた、、、という話。かつては垢の層が体を外部の瘴気から保護してくれる、水で洗うよりも新しいリネン(亜麻布)の下着に着替えた方が身体にはよいという考えが強かったとか。
これを「無知だなぁ」と一笑に付すのは簡単な事だが、当時の人たちは無知故にそうしていたのではなく、全員がそうではないにしても、当時の知識や知見をベースにして、科学的&理論的に「水で体を洗うなんてもってのほか」と結論していた。時代が変われば、それまでの常識がひっくり返るのは、そして「あの頃あんな風にやっていたのって、馬鹿だよねぇ〜」となるのはよくある事。