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ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉/〈下〉:リチャード P. ファインマン 著 大貫 昌子 訳 岩波書店

冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉
冗談でしょう、ファインマンさん〈下〉
ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫) ご冗談でしょう、ファインマンさん〈下〉 (岩波現代文庫)
小学校に修学旅行が無いというので、卒業式の前に、大樹と二人で広島に1泊2日の旅行に行ったのが2007年の2月。計画はその1年前から温めていて、1年間は広島について、つまり、原爆というものについて色んな本を読んだ。そこから、いろいろと枝葉が伸びて、色んな分野のいろんな本を読んだ。ロスアラモスで原爆開発に携わり、ノーベル賞も受賞した理論物理学者リチャード・P・ファインマンも、そうしてたどり着いた一人。もっとも、この本自体は2004年に一度読んでいる。ただ、この時は原爆からたどり着いた訳ではなく、この本自体が出版された頃、僕はまだ大学生で、大学の生協の書籍売り場の書棚にこの本が並んでいたのを覚えていて、読んでみたいと思いながら、買わなかった記憶から、手に取ったのだ。
それから、3年。昨年の暮れ頃から、ファインマン氏の魅力が僕を再び捕まえている。たしかに、ファインマンは原爆開発に従事した科学者だ。彼自身はその責任について、ある意味で曖昧な発言ともとれる答え方をしている。しかし、そうであったとしても、彼は十分に魅力的だし、彼を卑怯な人間であるとは思わない。
僕は学生時代、理数系はからきしだめだった。物理なんて、何一つ覚えていることは無い。でも、この本を再読して、僕はファインマンの物理学の本をアマゾンで購入してしまった。